(雨)ロボとラブ

Δじゃ。

とうとうラブプラス2050が発売されたな。今度は前作のような、
恋人が嫉妬に狂ってユーザーを刺し殺すような痛ましい事件が
起きんとええのう。

さて、昔話をしようか。このべろシティには、かつて「ちゅ」
というメンバーがおった。短くて変な名前じゃな。内輪からは
「ちゅ→ちゅん→ちん→ちんちん」と変化して、「ちんちん」
と呼ばれておった。

実際には「ちんちん」と呼ぶと怒るのじゃが、不思議なもんで、
「おちんちん」と丁寧に読んであげるとまんざらでもなさそうな
顔をしたもんじゃった。

そんなお茶目なちんちんじゃが、やつはラブプラスの初代からの
ファンじゃった。

ラブプラスといえば、もとは恋愛シミュレーションゲームじゃが、
「ラブ+」→「ラブ++」→「ラブ♯」→「ラブどっかーん!」
と進化していって、ついにラブプラス2020でシリコンの体を
同梱するに至ったロボ型恋愛シミュレーターのパイオニア的作品じゃ。

大昔の漫画で『ちょびっツ』というロボットがPCになるという
設定のものがあったが、ちょうどそれが現実になったわけじゃ。

2020年はそういった意味では大転換の年じゃった。
「ゲイレズビアンの同性結婚が認められるならロボと人間との
結婚も認められるべきだ、クリリンは18号と結婚したんだぜ?
ヤムチャは生涯独り身だったけどな」という主張を声高に叫ぶ
集団が国会を占拠し、その勢いを受けて法改正が行われた。

彼らの大半はラブプラスのファンじゃった。その中に我らが
ちんちんの姿があったとしても、驚くにはいたらない。

しかしやつは翌21年に、自らの運動の成果である、婚約者の
ロボ(フィギュア)により刺殺されることになった。

今思い出しても痛ましい事件じゃ。本当に不憫じゃった。

タイムマシンがあるなら、ラブプラスが発売された頃に戻って、
その信者たちに「諸君らの向かう先は地獄じゃ」といいたい。
ロボは人間とは異なる形でものを考える。どだい人間には
ロボとわかり合うなどということは不可能なのじゃ。

今日はそんなことを思い出しとった。