(雨)CDを売るひとつの方法

Δじゃ。

いつぞや話題にあげた、M3というイベントに出演しておった
頃のポスターがでてきた。これじゃ。

 

  bero_M3poster_10spring.jpgD-70という番号が強調されとるな。これはスペース番号じゃなく、
ある種のカッコつけというか、自分らのことを番号で読んじゃう
わしカコイイじゃ。当時わしは自分のことをDelta the 70(セブンティ)
と読んでおった。Ken the 390とか50 centみたいなノリじゃ。

実際に70歳に近づいた今じゃあ笑えんな。

それはそれと、このころのM3なるイベントはCDを手売りしておった
んじゃな。CDじゃ。LPじゃないぞ。

さすがに今、CDというものを知っておる若者はおらんじゃろうな。
当時は音楽を謎の円盤の中に入れて聴いておったんじゃ。
CDもLPも似たようなもんで、小さな溝の中に音楽を刻みこんで、
それを読み取る装置を使って音楽を再生することができるのじゃが。

どうしてそんなことを? そんなまだるっこしいことせずにデータ
のまま聴けよ、とお思いじゃろう。

その通りじゃ。実際、CDなるメディアは21世紀初頭には廃れておったな。

たしか2010年代には、CDといえばもうアイドルの写真集とか、
握手会のチケットとか、アニメ絵のイラスト集とか、そういった
位置づけのものになってしまっておった。

マニア向けのコレクターアイテムというのかのう。一部の酔狂な者共が
一人で何枚も買い、一般市民は買うことはまずない。そういうもんじゃ。

オリコンチャートなる売上ランキングも、ほとんどそういったマニア向け
のものが席巻してしまっておったな。チャートの歴史についてはいつか
また別個にしっかり書きたいと思っておる。

そうしてみると、M3というCDを手売りするイベントもなんだか奇妙な
気がしてくるのう。何しち面倒くさいことしとるんじゃ、てなもんじゃ。

おそらく参加者たちは、「いや、その面倒くさいやりとりをして交流する
のがええんじゃ」とのたまうじゃろう。それも一理あるんじゃがな。

同人は交流するのがメイン、といってしまうと存外つまらない気がしてな。
新しくてかっこいいものを作っていくこと、消費していくことが肝要じゃと
思っておったんじゃが。

そうした音楽の楽しみ方は、この頃すでに英米のインディーズシーンにしか
なかったのかもしれんのう。